HOME ・用語集 ・資料室 ・図書室 ・マロン日記(latest) ・マロンのお気に入り ・リンク集  ・ティーラウンジ
背景色・画像の変更ができます

 ハイパーレクシアを語るのは <はじめに>に代えて)


 上手く発音もできないのにひたすら
GAME OVER   CONGRATULATION   CARTOON NETWORK    FUJI COLOR
と文字を並べては満足そうにニコニコしている。時には私たち夫婦が知らない(でも、存在する)単語をどこで見たのか並べている。
  
 これはマロンが3歳の誕生日の頃の様子です。
 でも、2歳の誕生日の頃には乳幼児向けの絵本の挿絵のすみに少しだけ書いてある文字をあ〜とかう〜とか言いながらページをめくり、読み聞かせは断固拒否。その様子は確かに文字を読めていると感じさせるものでした。

  このようにハイパーレクシアの特徴でもっとも強く印象付けられるのは「文字や数字へ非常に強く興味を示したり、一般的に予想される暦年齢よりもよほど早くから文字を読む特異的な能力が現れたりする。」(AHAホームページより)というものです。
 
 教育センターの先生の意見を聞いたり、マロンの主治医である長沼先生の書かれた論文を読むとハイパーレクシアは広汎性発達障害の一つの状態像のように思いますし、ハイパーレクシアの最も特徴的な<非常に幼少の頃に、習うことなく字が読める>ということ自体は当事者の学習方法へのプラスの要因や示唆を与えるものだと感じます。一見すると他の子よりすぐれているということでこの状態は問題にはなりませんし、ハイパーレクシアという概念を広めることに価値がないと言う人も実際にいます。

  優れていると感じられる、この特異的な能力を持つ状態像は、実はハンデの別の側面であることがあります。優れた能力の一方で、コミュニケーションや社会性の障害があったり、読み年齢と書き年齢の差が大きい場合、書字障害が見られることも示唆されています。

  確かに<ハイパーレクシアを広めること>にはそれほど価値はないかもしれない。
 ただ、優れた能力ゆえに、周りがハンデがある事実を見てもそれと察知できず、時には受け入れがたいために、放っておかれたり、スペシャルニーズへの対応が遅れ、成長していけるはずの大切な時間が消えにくい傷を重ねていく時間になったり、親子の関係の溝を深めていくような時間にして欲しくない。ハイパーレクシアという状態が、その裏にハンデを秘めている可能性のあること、さらに能力のアンバランスが同様にハンデを示唆する可能性があることを子どもを育てている人たちに知って欲しい。そう私は願ってきました。
  
  子供の発達について悩んでいる保護者は少なくないとは思いますが、どこへ相談に行ったらいいのか、何をキーワードにネットで検索すればいいのか、糸口すらつかめないでいる人が沢山いるのではないでしょうか。
  だから私は<ハイパーレクシア>を語ります。
  矛盾しているけれど、いつか、こんなに肩に力を入れて「ハイパーレクシア!」という必要が無くなって、このサイトを心おきなく閉じられることを心の底では願っています。


このページのトップに戻る

inserted by FC2 system